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朝の食卓

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父との写真

昭和59年5月
父と鎌倉にて


佐藤泰志とタウン誌


 北海道立文学館で「<青春の記憶 夢みる力>佐藤泰志の場所(トポス)」展が開催中(6月19日まで)である。函館出身の小説家、佐藤泰志(1949〜1990年)の特別展に加え、もう一つの柱が函館で50年続いたタウン誌「街」の展示である。
 タウン誌「街」は1962年、「函館百点」として創刊。「月刊はこだて」、タウン誌「街」と改題しながらも郷土史、小説、詩、エッセイや時評、その時代をテーマにした座談会などを掲載し、編集方針を変えることなく、まちの息吹を伝えてきた。編集長だった私の父、木下順一は小説を書きながら、2005年2月までの43年間、タウン誌の編集発行をしてきた。
 佐藤泰志も父も年齢は違うが、国学院大学文学部に入学している。小説家になることを志し、佐藤泰志は同人誌「立待」を、父は仲間たちと「ナルシス」という同人誌を創刊した。ふたりとも函館の街を愛し、小説を書くことと戦い、文学一途の人生だったと思う。
 文学館の展示のためにタウン誌「街」のバックナンバーや表紙絵など、関連するものを整理している時に、わが家の本棚で1986年6月の「文学界」を見つけ驚いた。新人競作として、佐藤泰志「もうひとつの朝」と木下順一「通夜の後で」が目次に大きく載っていたのだ。30年前、私はこの本を父からもらっていたのに読んでいなかった。今回の展示に関わることがなければ、私は一生気づかなかっただろう。
 30年経って、初めてふたりの作品を読んだ。
(2016年5月15日 北海道新聞全道版)


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