娘のつぶやき

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◇娘のつぶやき


父との写真

昭和59年5月
父と鎌倉にて


今年のつぶやき

 今年初めての「娘のつぶやき」である。1月8日の朝日新聞に掲載される前に近況報告をしたいと思っていたが、新聞のほうが先になってしまった。昨年末に発行するつもりだったタウン誌「街」の50年誌だが、作業が遅れてしまい3月発行予定になってしまった。新聞掲載のあと、何人かの方からメールをいただいた。50年誌の完成を待っていてくださった方や、初めて知った方はどのように入手できるかなどの問い合わせもあり本当に嬉しく思っている。それと同時に発行が遅れていることを早くお伝えできなかったことをお詫び申し上げたい。今、頑張っていますのでもう少しお待ちください。50年誌はA4判変形サイズで228頁、見応え読み応えのある記念誌になるはずです。どうぞよろしくお願いいたします。
 私はこの一年間、50年誌のことをいつも考え、頭から離れることがなかった。編集に関しては全くの素人なので、函館にいるスタッフの後ろをついていくだけだが、娘として木下順一の頁を一部まかされると父の書いたものを必死に読まなければならない。なかには難しくて興味の持てない文章もあった。しかし、母や私のことを書いたものや父がノイローゼで苦しんでいたころの話になると、懐かしいというより父の気持ちを初めて知りせつなくなった。バックナンバーに目を通していると私は子どもの頃暮らした、函館、時任町の家の間取りが目の前に広がり、衝撃的だった出来事などが次々思いだされるのだった。兄弟姉妹のいない私は一緒に昔を懐かしんでくれる人が誰もいない。忘れていた過去を家族の誰かと話しているうちに少しずつ思い出すことがよくあるが、今の私にとって、その役割を果たしてくれるのはタウン誌の中の父の文章なのだ。あらためて私は文章を書くこと、そしてことばを遺すことのすばらしさを知った。
 三月までの間、函館で過ごす時間が多くなるだろう。タウン誌「街」の集大成である50年誌制作の仕事を大変だと思わず、十分楽しみながらやっていこうと思う。



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